このページでは日本で購入可能なEV(電気自動車)を一覧にして並べています。
EVってまだ少ないでしょと思うかもしれませんが、実は各社様々な商品をラインナップしています。また発展途上の技術のためか内燃機関を搭載したクルマよりも商品ごとの差が際立っているように感じられます。
このページでまずは一覧化、さらに各性能の比較を行っています。
EV一覧
日本のHPに記載されいている導入予定のモデルも含めて並べています。
国産メーカー
EVのラインナップが少ないと言われている国産メーカーですが、実はダイハツとスズキを除いて実は各社からEVが出されています。
特に注目は軽規格発のEVである日産サクラと三菱ekクロスEVではないでしょうか。
アメリカメーカー
EVと言われて思いつくのはテスラではないでしょうか? テスラはアメリカのメーカーであり、日本でも販売されている唯一のアメリカのEV車です。
日本ではテスラしか見ないのですが実はアメリカでは沢山のEVが出ており、実はピックアップトラックのEVも販売されています。日本に入ってくることは考えにくいですが今度まとめてみようと思います。
欧州メーカー
やはりEVの多いのはヨーロッパメーカーです。殆どのメーカーから大小様々な車種が展開されています。
中でも注目はスポーツカーメーカーのポルシェ タイカンとフィアット 500eです。
タイカンはEV市場を席捲するテスラにどう勝つのか興味があります。またフィアット 500eは日本で手に入る唯一のEVのオープンカーです。
中国/韓国メーカー
実はEVの技術力が高いと言われているのが中国/韓国メーカーです。
韓国のHyundai Ioniq5は2022年のワールドカーオブザイヤー。中国のBYDは進化の激しい中国で揉まれた1台。日本で受け入れられるかは分かりませんがスペック比較としては面白い対象だと思います。
車両スペック
国産メーカー
トヨタ bZ4X
トヨタとスバルが共同で開発したSUVのEVです。
航続距離は500㎞越え、日本で使うには十分な航続距離と言えそうです。
購入は何とサブスクのみ、補助金なしだと107,800円/月、補助金がありだと88,220円/月~です。
スバル ソルテラ
bz4xと兄弟車で、外観諸元、出力/トルクも同じです。
こちらはサブスクでなく購入が可能です。
レクサス UX300e
UXをベースとしたレクサス初のEVです。
サイズと航続距離はbz4xよりも控えめな数値となっており、バッジを無視すればbZ4xとソルテラの方がお得だと思います。
日産 アリア
リーフによって培われた技術を反映して作られたSUVです。
インテリアはシンプルで高級感があります。特に注目なのはインパネ面に薄し出された空調スイッチ、未来感のある1台です。
現時点は航続距離が500㎞未満ですが、バッテリー容量の大きいモデルも登場予定ですので航続距離は伸びるでしょう。
日産 リーフ
2代目となる日産リーフ。日本車でEVと言えばまずはリーフが思いつくという方も多いと思います。
航続距離は決して長くありませんが、電気自動車の中では比較的お求めやすい価格となっています。
40kWhモデルの航続距離322㎞は決して長いとは言えませんが、近場の移動がメインであればこと足りそうです。
日産 サクラ
日産と三菱が共同で作り上げた軽初のEVです。
軽ということで航続距離は短いですが、軽ユーザーの求める日常使いには耐える走行距離。価格も安くて補助金を入れればベース車のデイズ並みの値段で購入可能です。
さらにトルクは軽のターボの約2倍、モーターのためエンジンよりも静粛性が高く、1~2ランク上の走りの質感を実現しています。
三菱 ekクロスEV
日産サクラとの兄弟車。三菱版の軽EVはベース車のeKクロスと外観が同じです。
個人的な意見ですがせっかく先進性のあるEVに乗るのですから、内燃機関と違うことが一目でわかるようにしたいなと思うのでeKクロスEVは少し残念に感じます。
ホンダ Honda e
国産唯一のRWD(後輪駆動)のEVです。サイズもコンパクトで運転の楽しいクルマに仕上がっていそうです。
またエンジンルームに何もないことを活かして、フロントタイヤの切れ角をUP、最小回転半径は日産サクラの4.8mを大きく下回る4.3mを実現しています。
マツダ MX-30 EV
内燃機関のMX-30をベースに作られたマツダ初のEVです。
Honda eと同じバッテリー容量ですが、車が大きい分航続距離も悪いです。コミューターのような使い方であれば航続距離が短くても良いのでしょうが、このMX-30はコミューターってサイズじゃありません。 航続距離向上が待たれますね。
アメリカメーカー
テスラ モデル3
EVと言えばテスラ。航続距離は600㎞以上を達成、これだけ長く走れるのであれば困るシーンは殆ど無さそうですね。
加速性能も素晴らしく、その辺のスポーツカーよりも速いです。
残念な点はテスラは日本にディーラーが無いため、既存の自動車メーカーのような手厚いサポートは受けにくいところです。
テスラ モデルY
モデル3のSUV版でアメリカでもっとも売れているSUVです。
SUVながら高い出力とバッテリーによる重心の低さで高い運動性能を誇る1台です。
テスラ モデルS
テスラのフラッグシップセダンです。
Plaidはリアに2つのモーターを搭載し、0-100km/hの加速タイムは2.1秒!、最高速322㎞/hと化け物スペックのクルマです。
アクティブノイズキャンセルや自動運転などの先進技術も採用されており、未来を感じさせるクルマと言えそうです。
テスラ モデルX
モデルSのプラットフォームから作られたSUVです。
特徴は翼のように開くファルコンウイングドアと呼ばれる後席のドアです。
全幅は2mに迫り、日本では扱いやすいサイズとは言えませんが、比較対象のいない唯一無二のクルマと言っても良いのではないでしょうか?
欧州メーカー
ポルシェ タイカン
ポルシェの出す4人乗りのEVです。
駆動方式はRWDとAWDがあり、RWDが911のNAモデル、AWDが911のターボモデルのようにキャラクターの違いが設けられているようです。
テスラ モデルSと比較されることが多いようですが、カタログスペックで言うとモデルSの方が上。但し、クルマとしての完成度はタイカンの方が高いなんて情報を目にしますが実際はどうなのでしょうか。
Audi e-tron GT
ポルシェ タイカンの兄弟車です。
好みは分かれるでしょうが、個人的にe-tron GTのデザインの方が好きです。
Q4 e-tron /Sportback e-tron
Audiの出す中型EVです。プラットフォームはVWのIDシリーズを共用、ボディタイプはいわゆるSUVのe-tronとSUVクーペスタイルのSpor tbackがあります。
カタログですと航続距離は同じ値ですが、Sportbackの方がCd値が良いので実際はSportbackの方が航続距離が長いと予測されます。
e-tron/e-tron Sportback
Q4をさらに大きくしたのがe-tron/e-tron Sportbackです。
駆動方式はAWDのみ、Sはリアに2つのモーターを搭載しています。
メルセデスベンツ EQS
SクラスのEVバージョンです。
特筆すべきは0.2を示す世界トップレベルのCd値です。このCd値をだすためなのかEVらしさを狙ってなのか分かりませんがワンモーションのスタイリングが好みが分かれそうです。
メルセデスベンツ EQE
EクラスのEVバージョンです。
EQSと同様のワンモーションスタイルです。
メルセデスベンツ EQA
ベンツの出すコンパクトSUVです。(コンパクトといっても車幅が1835㎜ですが)
駆動方式はFWDのみ、ベンツブランドのEVとしては最も安いですがそれでも価格は730万円から。
メルセデスベンツ EQB
コンパクトな3列のSUVです。
モデルXを除くと日本で手に入る3列シートのEVはこのEQBだけですので、多人数乗車でEVが欲しいという方はこのEQBがおすすめです。
ちなみにEQAと同じバッテリー容量で航続距離が長い理由はモーター形式の違いと思われます。EQAは誘導モーターですが、EQBは同期モーターが使われています。
メルセデスベンツ EQC
中~大型SUVです。EQBよりもサイズは大きいですが乗車人数は5人です。
モーターの出力/トルクは高いですが、バッテリー容量の割に航続距離は短めです。これはおそらく前後ともに誘導モーターを使用していることが要因の1つです。今後ベンツがどのようなモーター戦略を立ててくるのか興味深いです。
BMW i3
BMW初のEVです。
コンパクトながらRWDという駆動方式を選択、コンパクトなクルマでもRWDを選択できるEVの特徴を活かしたクルマと言えそうです。
BMW i4
内燃機関のプラットフォームと共通で作られたEVです。
内燃機関からは約400kgの重量増ですが、バッテリーによる低い重心とモーターの高いトルクによって、運転のら楽しさは失われていないとのこと。
内燃機関ベースなのでBMWらしいFRのプロポーションが維持されていて、EVのワンモーションが苦手な方にもおすすめの1台です。
BMW iX3
i4と同様に内燃機関のプラットフォームと共用で生み出されたEVです。
BMW i7
7シリーズのEV版で、こちらも内燃機関のプラットフォームと共用で生み出されたEVです。
BMW iX
IXは内燃機関のプラットフォームと共用でなく、EV専用プラットフォームから生み出されました。
ボディの一部にはCFRPを利用。実はこのクルマのウォッシャー液の補充方法が特徴的、フロントのエンブレムが補充口になっています。
EV専用プラットフォームになるとワンモーションフォルムを採用するメーカーが多いですが、IXは従来のプロポーションが維持されているので、ワンモーションデザインが苦手な方も親しみやすいと思います。
ジャガー I-PACE
ジャガーのEVです。
発売から年数が経っているせいか、性能に対して価格が少し高い印象です。
フィアット 500e
軽のサクラ/ekクロスEVを除くと、日本で購入可能な最もコンパクトなEVです。
フィアットの可愛らしいデザインはそのままにEV化されています。特筆すべきはオープン仕様があるということ、日本で手に入るEVでは唯一のオープンカーです。
少し残念な点は5年契約のサブスク/リース契約のみの販売というところでしょうか。
プジョー 208e/208e GT
プジョー208をベースに作られたEVです。
日産リーフよりもコンパクトで、Honda eに近いサイズとなっておりヤリスやアクアと同じコンパクトカーサイズですので、日本で扱いやすいサイズと言えます。
GTグレードもありますが、出力/トルクはベースグレードと同じで外装に少し違いがあるだけです。
プジョー 2008e/2008e GT
プジョー2008eをベースにしたEVです。
マツダのMX-30に近いサイズ感でこちらも日本で扱いやすいサイズとなっています。MX-30よりも価格は高いですが、スペックを見ると2008eがお得に見えます。
Volv C40 Recharge
クーペルックのSUVであるC40をベースに作られたEVです。
Volvoらしい品の良さはEVになっても変わらずに表現されています。
Volv XC40 Recharge
SUVのXC40をベースに作られたEVです。
中国/韓国メーカー
日本では馴染みがありませんが、実はEVでは存在感を示すのが中国/韓国メーカーです。
特に中国は多種多様なEVメーカーがあり動向が注目されます。
BYD ATTO3
中国企業のBYDは電池メーカーとしてスタート、そこで培った技術を使って電気自動車産業に参入したメーカーです。
このATTO3はBYDの出すSUVです。
BYD Dolphin
同じくBYDの出すコンパクトカーです。
BYD SEAL
BYDの出すセダンタイプのクルマです。駆動方式はRWDとAWD、航続距離も十分長いので値段次第では日本でも面白い存在になるかもしれませんね。
Hyundai Ioniq5
韓国のHyundaiの出すIoniq5は日本では馴染みが無いですが、2022年のワールドカーオブザイヤーを獲得、高い技術力と先進的なデザインを誇っています。
全長の割に長いホイールベースが特徴で、広い室内空間を誇ります。
各車のスペック比較とランキング
ここからはこのページで記載した車両スペックを比較していきます。
*全車種全ての性能や価格が分かっているわけではないので歯抜けになることは了承ください。
航続距離
内燃機関では殆ど気にしないであろう航続距離ですが、EVの場合はもっとも重要な性能の1つであるのが航続距離です。
内燃機関では軽自動車でも1タンクで500㎞以上は走るのであまり気にしない性能ですが、EVの場合は400㎞を下回るクルマも多く、また出先での充電が手間ですのでEV選びで最も重要なものと言えるでしょう。
最も航続距離が長いのはメルセデスベンツのEQSの770㎞、エアコンの使用や走る環境で航続距離はカタログ値よりも落ちるでしょうが、ガソリン車に近い航続距離を持っていると言えそうです。
一方で航続距離が最も短いのは日産のサクラの180㎞、県をまたぐような移動は想定せずに近所での買い物や通勤にフォーカスすることで、EVの部品の中でも高価なバッテリー容量を減らすことで、幅広い層の人が購入可能な価格を実現しています。
価格に対する航続距離
先ほどは航続距離のみで評価をしましたが、次は横軸に価格、縦軸に航続距離を取って比較をしてみます。
右下に行くほど価格が高い割に航続距離が短い。左上に行くほど価格が安い割に航続距離が長いと言えます。
*国ごとの差を見るために日本、韓国、アメリカ、価格の高い欧州(ドイツ、イギリス、北欧)、価格のリーズナブルな欧州(フランス、イタリア)で色分けしています。
右下にいるのはポルシェのタイカンです。スポーツカーと考えれば仕方ないでしょうか。
左上にいるのは、韓国Hyundaiの出すIoniq5とテスラのモデル3、モデルY、Audi e-tron、BMW i4あたりで、残念ながら日本車は少し負けていると言えそうです。
ただこのグラフは背の高いSUVと背の低いセダン/ハッチバック系が混ざっているので、別々にすると見え方が変わるかもしれませんね。
最大出力
テスラのモデルS PlaidとモデルX Plaidが群を抜いて高いです。次に来るのもモデルSとモデルXの通常モデル、その次にAudi、ポルシェ、BMWと続きます。
ちなみにPlaidの761kWは約1035ps、日産のGTRが419kWの570psですので最大出力のすさまじさが分かります。
内燃機関の場合は200ps(147kW)を超えるとハイスペックな印象ですが、EVは殆どが200psを越えていますね。
なお出力がもっとも低いのは軽のサクラとekクロスEVです。軽規格に合わせて出力が抑えられていますが、トルクは軽ターボの約2倍あるので力強い走りが期待できます。
価格に対する最大出力
航続距離で比較したときと同様に左上の方が優秀です。
この比較でもテスラ勢が優秀なことが分かります。特にモデルSとXのPlaidがずば抜けていると言えそうです。
左下がごちゃごちゃしていて見にくいのでスケールを変えたグラフも作りました。下をご覧ください。
左上に位置するのはテスラとHyundai、そしてVolvoのXC40とC40です。さらにリーフも良い位置にいます。実はリーフはEVの中だとお買い得なのかもしれませんね。
一方でAudi、メルセデス、BMWが右下にいると言えそうです。彼らプレミアムメーカーの価値は出力だけでは測れませんがこの見方だと良いとは言えません。
車両重量と最大出力
最後に車両重量と最大出力を比較しています。
左上に行くほど重量が軽いわりに出力が高いと言えます。
この比較でもテスラ勢が強いことが分かりますね。EVの場合はバッテリー容量で重量が大きく変わってしまうのでバッテリー容量に対する重量の比較も必要ですが、テスラ勢は航続距離も長いのでバッテリー容量が極端に少ない訳ではありません。
それにも関わらず軽いということは技術力が高いと言えるのではないでしょうか? もしくは既存の自動車メーカーが守っている何かを無視しているとか?
*テスラは衝突安全テストのスコアも良いので衝突安全をないがしろにしているわけではなさそうです。
まとめ
このページでは日本で購入可能または日本導入予定のEV(電気自動車)のスペックを並べました。
EVはまだ少ないと思いがちですが、各社から様々なタイプのEVが出ております。
エンジンが無くなりモーターになると作るのが簡単になって参入障壁が下がるなんて聞きますが、性能を比較すると各車の技術力に差があるような気もします。実際のところテスラのような一部新興メーカーを除いて、新しい自動車メーカーは出てこないのかもしれませんね。
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